そこにひとつの席が

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すばるの、隣。

"となり"――が、いいなぁ。涙



その‥"傍ら"。

すばるの、
(視線のなか)
"右側"‥で、いつも。

笑っていたい*



(そんなひとの‥人生が――羨ましいよ、)








今日は‥

この詩が――真っ先に、頭に浮かんで。

(でも、この詩は‥"悲恋"なの、)
(このふたりは――結局、結ばれることはなかったんだ)
(時代のせいで‥)









すばるに会いたい。

(今年の冬も、)
(またあの笑顔に会えますように‥)



‥まだ、夏が。

終わったばかり、だけど。








**

そこにひとつの席がある
僕の左側に
「お坐り」
いつでもそう言えるように
僕の左側に
いつも空いたままで
ひとつの席がある
 
恋人よ
霧の夜にたった一度だけ
あなたがそこに坐ったことがある
あなたには父があり母があった
あなたにはあなたの属する教会があった
坐ったばかりのあなたを
この世の掟が何と無造作に引立てて行ったことか
 
 
あなたはこの世で心やさしい娘であり
つつましい信徒でなければならなかった
恋人よ
どんなに多くの者であなたはなければならなかったろう
そのあなたが一夜
掟の網を小鳥のようにくぐり抜けて
僕の左側に坐りに来たのだった

 
一夜のうちに
僕の一生はすぎてしまったのであろうか
ああ その夜以来
昼も夜も僕の左側にいつも空いたままで
ひとつの席がある
僕は徒らに同じ言葉をくりかえすのだ
「お坐り」
そこにひとつの席がある

(そこにひとつの席が/黒田三郎)










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by allofmefor-8 | 2016-09-29 23:24 | 渋谷すばる